Introduction
品質マネジメントシステムの維持に取り組んできました。現在では、品質向上だけでなく社員教育やモチベーション向上にも品質マネジメントシステムを積極活用されています。今回、品質マネジメントを取り入れた経緯や背景、導入後の変化、現在の取り組みについてお伺いしました。
(以下、文中では敬称略)
常務役員 品質統括
品質保証部 部長
事業戦略部 組織力向上推進課 課長
広報・法務部 広報課 主任
--御社の品質マネジメントシステムと社員教育との関係についてもお聞かせください。
(鈴木)
品質マネジメントシステムは、社員教育に大変役立っていると感じています。
まず、事務局のIATF16949に関する知識やノウハウが圧倒的に増えましたね。 IATF16949へ移行するまでは、内部監査員だけが外部の品質マネジメントに関する教育を受けるんですが、規格を十分理解した上で語れる人は少ない状態でした。もちろん、事務局のメンバーは規格について語れるんですが、社内講師をやるレベルにまでには至っていないというか。
そこでIATF16949への移行を機に、とにかく私たち事務局はトレーナーを目指そうと決めて、トレーナーの力量を得るために研修を受け、習得するべきことを教えてもらいました。
またここ数年、「自部署のプロセスに関連する要求事項が、規格とどうつながっているのか」という視点で社員教育を行っています。部署に特化した教育を企画して提案すると、結構喜んでもらえるんですよ。つい先日、事務局のメンバーが生産技術部に教育を行い、「今まで何となく行っていた業務が、IATF16949の規格とつなげて理解できた。」というコメントが受講者からありました。これこそまさに品質マネジメントシステムの効果だと感じました。
さらに、新入社員教育にもIATF16949の規格のエッセンスを取り入れて、取り組んでいます。さすがに新入社員に対してIATF16949の規格を解説するのは難しいと思うので、プロセスマップとかタートル分析など、考え方のエッセンスを取り入れながら、研修を行っています。
たとえば、新入社員が設計部や生産技術部に配属になると、自部署の仕事内容はしっかり覚えますが、他部署については知る機会が少ないです。IATF16949を維持する上で、部署間の連携は重要だからこそ新入社員のうちに、研修の中で「連携の大切さ」をしっかり理解してもらいたい、というのが狙いです。「規格の構造全体の中で、こういう連携でいい業務を行えば、お客様に対して品質保証ができるし、ビジネスを獲得できるんだよ」という内容で、IATF16949のエッセンスを導入教育で教えています。 人事部からは、「来年以降も継続してそうした教育を続けてほしい」というフィードバックをもらっていて、新入社員教育に取り入れる意味はあるのかなと感じています。
(伊藤(元一))
社内に「仕組み」があるということが重要だと感じています。仕組みがない状態で改善してもなかなか前には進まないですよね。 林テレンプでは、社内でわざわざ「IATF16949の規格」だと伝えなくても、社内の仕組みの中だけで品質を良くしていくことができ、その結果として、認証を得ることができています。
「品質を良くしていくのが林テレンプの武器の一つだ」と社内で認識できていると思いますし、「品質を良くする」ということを、自分たちの身近なものとして捉えて日々仕事をしてくれているんだなと感じますね。
社内でも、プロセスのつながりや、プロセスマップ、タートル分析というものが、教育のおかげでかなり浸透しているのではないでしょうか。 グローバルに通用することを社員みんなで取り組めているという点が、もはや林テレンプの強みだと私は思います。
--それでは最後にDNV監査に期待することを教えてください。
(鈴木)
DNVの監査は、林テレンプにとってのリスクが何かを引き出して指摘してくれます。 納得して是正を行えるため、意味のある是正処置ができていると思いますね。
今後も、弊社のリスクの立ち位置で見ていただき、弊社の状況に合わせて監査をしていただけると嬉しいです。
--本日はお時間いいただきありがとうございました。
林テレンプに関する各種データを記載しています (corporate webサイトから引用)
林テレンプ株式会社は、創業から110年を超える歴史を持つ自動車内装部品の総合メーカーです。独立系サプライヤーとして、国内大手自動車メーカーすべてと取引を行っています。主力製品の「フロアカーペット」は、年間1,000万台以上の生産能力を保有しており、グループ会社トータルで世界トップクラスのシェアを誇ります。近年は自動車用防音材に力を入れており、2021年にドイツの防音材大手、アドラーペルツァー社と資本提携を行うなど、グローバル展開を強化しています。