2009年に、DNVビジネス・アシュアランスは、持続可能な漁業のための海洋管理協議会(MSC)規格に対して漁業を認証することを認められた。MSCエコラベルは徐々に消費者要件となってきており、人々は、自分たちの食す水産物が持続して収穫できることを願っている。
「2009年以来我々は、MSC基準に則って、北東大西洋の数カ国で持続可能な漁業に対して多くの認証を与えてきました。MSC規格の公認の第三者認証機関として健康な海を維持する漁業に貢献したい」と、DNVビジネス・アシュアランスの世界水産物コーディネーター、グロ・メルドレ・ペデルセンは言う。
世界で一番先進的な取り組みをしていると言われるのがノルウェーだ。国全体の漁獲高のおよそ75%がMSCプログラムによってカバーされている。DNVビジネス・アシュアランスは現在のところノルウェーでの全てのMSC認証に関与している。
DNVビジネス・アシュアランス グローバルサービスの責任者でMSC認証のオーディター、サンシャ・チョードリーは言う。「ノルウェーは、持続可能な漁業管理で世界的に認められています。そのことは、海にとっても、ビジネスにとってもよいことだし、将来にわたる魚介類の供給にとっても良いことに間違いありません。我々は、責任ある管理をすることが、長期的にも短期的にも世界の関心を集めるのに役立つのだということ周知していかなければならないでしょうね」
MSCの調査によると、認証漁業は改善を続け、主要漁業評価指標でも上昇している。MSCが設立されて以来、過去数年の間に、地球環境に対する好影響も見られている。魚種資源の世界的管理は改善し、漁業者たちはMSCが貢献しているような生態系に対する漁業の影響についてさらに知識を深めている。
海洋管理協議会(MSC)は、海の健康に貢献するという使命を担った非営利団体で、複数のステークホルダーの過程を通して、持続可能な漁業と水産物のトレーサビリティに対する認証基準を開発してきた。MSCのエコラベルは、管理の行き届いた漁業から持続可能な水産物を消費者に提供する消費者製品にのみ適用される。MSC認証漁業による水産物だけがMSCエコラベルを使用できるから、消費者はしだいに、スーパーマーケットでこのラベルを探すようになる。
「漁業を責任持って管理し、認証を与えることは、持続可能な収穫を保証するだけではないのです。MSCエコラベルが顧客に新しい市場を開拓する機会を与えることも大事な視点です」とチョードリーは言う。
「MSC認証漁業は、需要の増加を指標として見ています。ウォルマートのような多くの一流スーパーマーケットチェーンは、MSCラベルのついた天然魚だけを買って売ることを目標としている。歓迎すべき進歩だと感じています。持続可能な漁業による水産物だけが世界的に受け入れられるのを確かにする、という方向に市場は変わらねばならないでしょう」
漁業は、認証を取得するために持続可能な漁業のための原則と基準に適合する必要があり、魚種資源と海洋生態系を維持できるよう責任を持って運営しなければならない。国内外の合意に適合する必要があるのはもちろんであるし、変わりゆく環境に適合するよう管理システムを整備する必要もある。
「認証プロセスは極めて複雑で、透明性を持っていることは、強調したいですね。実施のさまざまな段階でステークホルダーの意見を聞いています。一度認証されると、認証を維持するために年に一度の監査が必要であり、漁業は5年の認証期間の間継続して適合性を示す必要があります。矛盾が見つかれば、認証は停止、または撤回になることもあります」とサンシャ・チョードリーは言う。
DNVビジネス・アシュアランスはこれまで、おもに北東大西洋でMSC認証を与えてきたが、MSC認証サービスを他の市場に拡大しつつある。
「持続可能な管理漁業は世界的関心事です。天然魚のほとんどは発展途上世界で消費されている。国際市場でも持続可能な資源と健康な海を促進するために我々の専門的知識を使っていきたいです」とサンシャ・チョードリーは言う。
国連食糧農業機関(FAQ)によると、世界の魚種資源の4分の1は過剰に利用され、激減、あるいは激減から復活しつつあるが、その一方で50%が完全に獲り尽くされ、それ以上の生産は不可能となってしまっている。
「気候変動と隣り合わせだから、魚の乱獲は重要な環境課題の一つなのです。漁業が責任を持って管理されなければ、十分な数の天然魚を次世代に残すことはできない。こうした状況下では、エコ表示とMSCのような基準に対する第三者認証は、海洋資源の責任ある管理をさらに確かなものにするインセンティブになります」
とグロ・メルドレ・ペデルセンと述べた。