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DNVと日科技術連が業務提携(後編)

すでに産業界に定着した感のあるISO9001やISO14001などの第三者認証制度だが、企業を取り巻く 環境変化は加速し、マネジメントシステムをより有効に活用したいという組織の期待は高まってきて いる。そうした要望を満たす体制を構築すべく、DNVビジネス・アシュアランス・ジャパン株式会社(以下DNV)と一般財団法人日本科学技術連盟(以下日科技連)が、昨年12月に業務提携を締結。

提携の背景や内容、メリットなどのほか、第三者認証業界の現状について、DNVの代表取締役ゼネラルマ ネージャー前田直樹と日科技連のISO審査登録センター所長の小野寺将人氏に語っていただいた。

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相互のリソース活用で顧客にもメリット

――具体的な提携内容と、提携のメリットをお話 ください。
前田 大きく3つを柱としてスタートしています。1つはセクター系の規格をDNV が担当する こと、2 つめはグローバルな案件があったとき、DNV のグローバルネットワークを使うことです。 そして3つめは、市場開拓のときにマーケティングを共同で行うというものです。

小野寺 最初の2つは発生ベースで、既に実際の引合案件も出てきていますが、そろそろ3 番 目のマーケティングを本格的に始めたいですね。我々は東京、DNV さんは神戸と、拠点が分かれ ていますので国内全体をカバーリングもしやすくなると期待しています。

――具体的に進んでいる計画があれば教えてくだ さい。
前田 お客様向けにテーマを設定して、共同セミナーからスタートしていきたいと考えていま す。

小野寺 今後、人材協力も計画しています。DNV さんには我々が手掛けていないセクター規 格の専門家が沢山おられ、我々には品質管理の人脈があります。現場で品質管理や製造現場にいた さまざまな方、多彩な組織との結びつきがあり、例えばセミナーでもなかなかお呼びできない方を 講師として招くことができます。

前田 そのネットワークの部分に我々も期待しています。外資系認証機関のネットワークだけで は限界があります。その点、日科技連さんが持つ質の高いネットワークを使わせていただく、あ るいは共同で行うということは、我々にとって大きなメリットです。相互にいろいろなリソースを 持っていますが、自社だけでまかなえない部分をお互いに補うことで、単独ではできないことが広く実現できるようになり、最終的にはお客様にとってメリットとなります。

3つのクオリティを掲げる日科技連と国際ネットワークを持つDNV

岐路に立つ認証業界でアドバンテージを持つ

――DNVさんはすでにJACOさんと提携しておりますが、今後も提携を進める計画はあるのでしょうか?
前田 JACO さんとは2010 年10 月以来資本提携を行なっており、非常に良好な関係を続け てきています。それ故、今回の業務提携の際にも、JACO さんとの顧客層の干渉が基本的にない ことも大きな判断要素でした。外資系の業務提携というと、ともすれば買収への入口と見られがち ですが、その意志は全くありません。そもそも提携先のお客様がそれをどう思われるかを考える と、現在の日本の市場の中では有り得ないのです。DNV の本部はノルウェーですが、行動ポリシー は「Think Global,Act Local」。戦略やサービスラインは外資の強みでエッジを利かせ、ロー カルの対応はあくまでもローカルの実情に合わせるということで、今回の業務提携はまさにAct  Local に当たります。日本法人は日本のお客様、日本の産業界のために活動しており、この点を明 確にアピールしているのですが、残念ながら警戒される方もおられるようです。我々がJACO さ んや日科技連さんと行っている活動を見て頂ければ、弊社の真意は判断して頂けると思っています。 また、真面目な認証機関で我々のアライアンスの方針、理念に賛同される認証機関、我々の力を必 要とされる認証機関があれば、今後も広く門戸を開いていくつもりです。

――今回の提携はある意味、閉塞感のある日本の認証業界に一石を投じたともいえそうですが、業 界の現状について感じていることをお聞かせください。
小野寺 株主に支えられている認証機関が多く、営業に動いていない認証機関もありますが、 そのままでは厳しいでしょう。私が懸念しているのは、新しいスキームを使って安い審査費用でお 客様を囲い込むことがメジャーになってしまうこ とです。そうなると業界全体が崩れていく可能性があります。

前田 今、業界は正にその岐路に立っていると感じています。安価な認証機関にも一定のニーズ があるのは確かですが、それを単に批判をするだけではなく、認証機関としての自分たちのスタン スを明確にすべきです。審査費用を安くもできず、機関としての特徴も出せないのであれば、市場に 埋没し退場を余儀なくされるのは必然と言えるでしょう。

小野寺 私も同感です。お客様となる組織が10 社あれば、自分たちのスタンスを明確にして、 2,3 社に理解してもらえるようにきめ細やかに対応していく、そうしたことが求められていると思 います。業界はここ2? 3 年がターニングポイントでしょう。認証機関間の移籍は日常化しています。 認証取得当初は、取得企業が「認証数が多いから」「コンサルタントに勧められたから」との理由で 認証機関を選んでいたケースも多かったと感じますが、現在では、自社はどうあるべきか、なぜ認 証取得するかを考えるようになって来ています。単に登録書がほしいところから、第三者の目線で 指摘してほしい、審査を通じて体質改善をしたいなど、組織の要求によってマーケットは別れます ので、あとはそれぞれの審査機関がどこに立っていくかです。

前田 業界全体としては、関係者が集まる場で、どう社会に貢献していくかをもっと真摯に話し合 い、産業界の活力につなげていくべきです。若返りが図れていないのも課題でしょう。世代交代が うまくいっておらず、それが全体の閉塞感に繋がっている部分もあります。ベテランによるご意 見番も必要ですが、バランスよく配置されているのが理想ですね。

――最後に提携による効果を含み、今後の期待をお聞かせください
小野寺 提携によってお客様に提供できるサービスが増え、日科技連としては自信を持って対応 できます。基本部分を含めレベルを上げながら、良い審査を提供していきたいと考えています。そ れによって日科技連の名を高めると同時に、提携しているDNV さんにもメリットとなるような Win-Win の関係を築いていきたいですね。人材協力にも踏み込めれば、一層良いものになってい くと期待しております。

前田 我々は今回の提携で短期的な業績を上げようとはあまり考えていません。あくまで日科技 連さんのお客様に、より幅広いサービスを提供し、組織の成長に役に立つ。そしてそれが日本のお客 様への信用につながり、ひいては我々の国内基盤となっていけばうれしいですね。お互いの強みを 活かして、国内のお客様のためになる活動をしていきたいと思います。
(ISOマネジメント誌2013年4月号より転載)

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