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ニーズ高まる医療機器指令(MDD)への対応

安倍首相が打ち出している「成長戦略」。その中の「戦略市場創造プラン」の1つとして具体例に挙げられているのが医療関連産業だ。高齢化による国内市場の伸びだけでなく、海外輸出への期待も高まっており、政府は医療機器や医療サービスの海外展開に力を注いでいる。ただし欧州へ輸出するにあたっては、乗り越えなくてはならない壁がある。医療機器指令(Medical Devices Directives:MDD)への対応だ。MDDとはどのようなもので、どう対応したらいいのか。MDDの適合性評価機関であるDNVの監査員で、医療機器業界において設計開発の経験もある前橋幸治氏に、世界の動向を踏まえつつ話を伺った。

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MDD は 欧州で医療機器を流通させるにあたり、必ず適合していなくてはならない指令である。 適合していることを示すには、域内における適合マーク「CE マーキング」が必要で、欧州委員会はこのマーキングを「製品が欧州市場を自由に流通するためのパスポート」と呼んでいる。 対象となっているのは、医療機器のほか、玩具、機械製品などがあり、該当製品の製造業者(輸入者)または第三者認証機関(Notifi ed Body: NB)が適合性評価を行い、その結果、製品、包装、添付文書にマーキングする。

図1 ニューアプローチ指令の種類

「CE マーキング」指令が発令されたのは、EU 発足2 年後の1995 年だが、それ以前の1985 年 に「ニューアプローチ指令」が採択されるなど、 EU 経済市場統一化に向けての動きはすでに出 ていた。この指令は、それまでの国ごとの基準 や規制による貿易障壁を取り除くためのもので、 これを受けて、「機械指令」「低電圧指令」「圧力 容器指令」「玩具安全指令」などが規定され、製 品ごとにCE マーキングを貼付する制度ができあ がった。 ニューアプローチ指令の種類は、現在22 指令 あり、そのうちの1 つがMDD である(図1)。「医 療機器」の適用範囲は、「あらゆる計器、器械、用具、 ソフトウエア、材料又はその他の品目であり、単独使用か組合せ使用かを問わず、製造業者が特に診断及び/ 又は治療の目的のために使用することを意図し、その適切な適用のために必要なソフトウエアを含み、製造業者が次の目的で人体への使用を意図したもの」であり、「次の目的」とは「疾病の診断、予防、監視、治療又は苦痛緩和」「傷害や身体障害の診断、予防、監視、治療又は苦痛 緩和」「解剖学や生理学上の検査、代替又は修正」「受胎調節」とされている。

医療機器は「Anaesthetic and Respiratory Devices(麻酔/ 呼吸用機器)」、「Dental Devices ( 歯科用機器)」、「Electro Mechanical Medical Devices ( 電子/ 機構医療機器)」、「Hospital Hardware (病院設備)」など製品特性によって 16 に区分されており、一口に医療機器指令に対 応するといっても、製品分野によって求められる 要求事項は異なってくる。

つまりCE マーキング 貼付に至るまでには、次項で説明するような手順 が必要で技術文書を作成せねばならないが、その 際には各製品によって相当の知見が必要となって くるのだ。 ちなみに医療機器を対象とした医療機器指令 には、MDD のほかに「能動埋込医療機器指令 (Active Implantable Medical Devices:AIMD)、 「体外診断機器指令(In Vitro Diagnostic Devices Directive :IVDD)の、全部で3 種類がある。こ こでは一般的な医療機器を対象としたMDD につ いて取り上げる。

図2 CEマーキング対応への基本的なステップ

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