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三菱重工 長崎造船所 トレーニングが世界の企業と戦う力になる

三菱重工 長崎造船所が製造するのは、大型タンカーに発電プラント、環境保全設備など非常に大規模だ。製造過程にはISO9001のもとに品質管理体制が構築されている。2007年は品質管理にさらなる磨きをかけるために、DNVのトレーニングを導入。その経緯や効果を業務プロセス改革推進グループの引地氏に伺った。

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現状のヒアリングから二つの重点課題を抽出

引地氏 写真

引地 茂敏 氏
業務プロセス改革推進グループ
1974年入社。ボイラ工作部、
プラント建設部、品質保証部を経験。
長崎造船所全体のQMSと
小集団活動の普及に務めている。

-----はじめに、引地様の業務プロセス改革推進グループとは、どのような業務を主に担当しているのでしょうか。
各部門での仕事のやり方を総ざらいし、見直して改善を促進することです。具体的なものとしては、部門間で生じるインターフェイスの隙間を埋めること、品質トラブルの再発防止活動と未然防止活動、QMS教育(品質マネジメントシステム教育)やQC教育(品質管理教育)といった研修による品質重視・顧客満足の考えの浸透、小集団活動の普及などを行っています。

-----今回、DNVのトレーニング講師派遣サービスを依頼するきっかけは、どのような理由からでしょうか。
ISO9001の認証機関としてDNVにお世話になっており、当所の機械部門のいいところ、悪いところをよく理解いただいていることが一番の理由です。 世界で戦っていくには、安定してよりよいアウトプットを出せる組織作りが求められています。つまり個人の経験に大きく頼ってしまう、属人的な仕事のやり方では世界に通用しない訳です。従い組織をさらに改善していくためにも、トレーニングでQMS(品質マネジメントシステム)の考えを浸透させる必要がありました。

-----導入した講師派遣のトレーニングサービスは、専任の講師が御社の課題にあわせ、トレーニングプログラムを提案していますが、意見のやり取りはいかがでしたか。
どういう内容であれば受講者にとって理解され効果的な教育になるだろうかと悩んでいましたので、講師の方には当所の実情をお話して理解していただき、トレーニングプログラムの中で可能な限りの焦点を絞ってもらいました。そのための意見の交換は打合せやメールでのやりとりでこまめに行いました。

結果、QMSの考えの浸透、再発防止と未然防止の重要性、QC手法を用いた改善活動の活性化、この三つを重点課題として取り組むトレーニングを提案いただきました。

フロー

トレーニングは受講者に 身近な課題をテーマに計画。

引地氏 写真

-----トレーニングをしっかりと計画から実行へ落とし込むために工夫した点はありますか。
トレーニングの中の演習のテーマを、受講者に身近なものにすることにしました。テーマ選定については、業態に合わせた業務を取り上げて、講師の方にある程度理解して頂いた後、決定していきました。


-----実際に決定したトレーニングはどのようなものですか。
QMSの考えを浸透させるために、受講者のレベルにあわせた2種類のQMS教育トレーニングを計画、実施しました。ライン長およびライン長候補者向けの「QMS基礎教育」、プロセスアプローチ的思考、再発防止(なぜなぜ分析)と未然防止(FMEA・FTA)を自職場で実施・指導できる人を養成する「QMSエキスパート教育」、また、各職場の問題解決能力の向上を目的としたQC教育を行い、全体で品質管理をレベルアップできる教育の仕組みを作っています。

-----DNVの提案トレーニングをはじめて、成果を感じる部分をお聞かせください。
会話の中にプロセスオーナ・クオリティゲート・マネジメント・責任と権限やチェックの判定基準に関する用語がたびたび出てくるなど、少しずつQMSの考えが浸透しつつあるかなと感じています。ただ、品質管理のトレーニングは、はじめてすぐに成果が出るものとは考えていません。全体に渡って浸透を深めていくのは長丁場になるだろうと思います。


-----最後に、品質管理をさらに強化するための対策で、考えていることがありましたら、お教えいただけますか。
品質トラブルの根の多くは、設計を変えたところに潜んでいます。そのため設計の固定部分と変動部分を仕分ける、固変分離の設計を増やすようにしています。今まで以上に変動部分にエネルギーを注げるよう設計を標準化することで、トラブルを減らしていくのがねらいです。他には、部品はメーカーの標準品を使うなどサプライチェーンを確立する対策も考えています。

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三菱重工 長崎造船所

大型タンカーや豪華客船などの各種船舶、発電プラント、環境保全設備など、多岐にわたる製品を製造。グローバルな活動と先端的な取組みは、世界からも注目を集めている。