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「資源循環型社会」に向けた食肉業界リーディングカンパニーの挑戦

株式会社ジャパンファーム 後編

地球温暖化の問題が迫ってきているいま、私たちはこの問題にどう向き合うべきか。未来に向かって私たちにできること、企業として果たすべき責任や役割は何か。本シリーズでは「低炭素化社会」に向けた企業の取組みをレポートする。第2回となる今回は、食肉業界のリーディングカンパニー、ジャパンファームの活動を紹介する。

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ISO取得がベースにあったからこそ

計量器付きユーズドウオータータンク
正確な給餌量を実現し栄養分の摂取量を調整

全くゼロからのスタートで循環型モデルを完成させた背景には、ISO活動で培った従業員のスキルとノウハウにあると内部統制室ISO事務局担当石塚滋氏は見ている。

「最初にQMSを取得してはや10年、審査機関と共同でEMSと統合マネジメントシステムとして発展させています。取得や更新のためのISOではなく、自分たちのマネジメントシステム、すなわちジャパンファームマネジメントシステムの構築を目標にしています。その結果として、社員全員にPDCAのサイクルを回しながらスパイラルアップするという習慣が身についてきて、若い人もベテランも同じ目的に向かって仕事ができる社内体制が整ってきました。それまでやってきたISO活動のノウハウがベースになっている部分もあると思います」。焼酎粕の利用がEMSが目指す「資源の有効活用」と認識された結果、社内では抵抗無く、全員一丸となって取り組むことができたという。

また、リキッドフィーディングによる自動給餌システムの構築により、データの重要性をよりきちんと認識できるようになった。これもその重要性をISOで学んでいたからだと石塚氏は分析している。最初はデータの有効活用に関してその重要性を認識できなかったのだが、審査員のアドバイスにより徐々にレベルアップしてきた。特にこれまで難しかった給餌量が完全に数値化され、経験のない担当者でも給餌を正確に、確実にできるように改善された。また、数値の変化による対応もISOによりマニュアル化されて、作業員の多能化も進んだ。

特に印象深かった出来事として中屋氏はEMSの審査員の言葉を思い出す。「水分量90%以上の絞り粕を蒸発させて廃棄・焼却処分する場合に比べると、あなたたちのやっていることはものすごい量のCO2削減に貢献していますね」と言葉を掛けられたこと。そこで改めて自分たちがやっていることの重要性と意義を感じることができたという。

「いろいろ報道されて自分たちの仕事があちこちで紹介されるようになると、単に食肉用の養豚事業をしているだけではなく、地域の循環社会の一員であるという意識が芽生えてきました。自然にふだんの生活でも環境第一になってしまいます」(総務経理部総務課係長・田中浩司氏)。

今後について、「数値化や業務の平準化は、実はずっとやりたかったこと。これからはもっと数値を有効利用できる仕組みに改善をしていきたい」と中隈氏。すでに県内の大手焼酎メーカーからも焼酎粕の利用を求められている。

健康で安心な養豚

今のところ31棟でライン化したリキッドフィーディングシステムが稼働しているが、これも会社全体の約3分の1にすぎない。今後いかに増やしていくかを検討中だという。

最近では焼酎にできない規格外の芋も豚の餌にしており、肥料配送の帰りに芋を積んで戻ってくるようになった。サイクル内での結びつきはさらに強まって、より完全循環型モデルとなっている。リキッドフィーディングに関する報道により、環境にやさしくて安全・安心のおいしい国産豚の話が広まり、全国の消費者からの熱い視線も集めるようになった。現在では指名買いも増えてきており、今後がさらに期待されている。

CSRの気運が高まってきた背景

CSRを取り巻く社会的状況

CSRの概念は、それが包括する範囲を広げています。狭義の事前活動という位置づけであったものが、より広く、無形試算の管理という位置づけに変化しています。また「コンプライアンス」のみだったものが、「コンプライアンス+アルファ」という広い概念で捉えられるようになってきました。これは今までのお金を支払う(費用・支出)という概念とは逆の、CSR自体が価値を作り出し生み出す、価値創造の段階に入っているといえます。

多くの企業および投資家にとって、CSRとそれによる価値の創造については、「無形資産の管理」という考え方が当然のように受け止められてきているのが現状です。これは「企業の市場価値」という指標において表され、1980年代においては、無形資産が占める割合が40%であったものが、今日では85%を超えるものとなっています。

企業を取り巻く環境の変化

米国のエンロンによる粉飾決算、またわが国における企業不祥事などの多発によりステークホルダー(顧客、株主、地域住民、従業員、政府など)の企業に対する不信感が増大し、企業に求められる社会的責任が急速に高まってきています。 また、グローバリゼーションやITの進展に伴い、企業はステークホルダーに与える影響をこれまで以上に考慮し、法令遵守、消費者保護、環境保護、労働、人権擁護、地域貢献など倫理性、社会性(環境への配慮、地域貢献など)を経営活動にいかに反映させるかということがポイントとなってきています。

また、企業活動のグローバリゼーションによる途上国の労働問題、環境破壊並びに地域の社会貢献などについて関心が高まってきています。 消費者の意識変化、並びにITの進展により、NGOなどによる企業活動の監視がより強められ、企業は製品品質だけでなく、環境や人権、労働環境へ配慮することを求められてきているのです。

資金の運用に際しても収益性だけでなく、社会性(環境への配慮、地域貢献)など企業の社会的責任を考慮して投資先を選定するSRI(Socially Responsible Investment;社会的責任投資)が拡大しています。

CSRに関する国際規格の動向と対応

このようなCSRに関する関心の高まりを受けて最近ではCSRに関する国際規格、行動指針などが提案、制定されており、特にGRIガイドライン、EUのCSRに関するグリーンペーパー、米国のSA8000、日本CS2000などが注目されています。また、注目すべき動向としてISOによるCSRの規格化が予定されており、規格発行に向けて取り組み検討されています。しかしながら、制定されている国際規格などの多くは、欧米諸国の文化的価値観に基づいており、文化・社会的背景、経済発展の違いなど、欧米の価値観や基準のみで企業行動を単純に判断することに対する批判や混乱もあるのは事実です。

今後、ISOによるCSRの規格検討など国際規格の導入は避けて通れない状況といえます。このような国際的な動向を踏まえ、CSRへの取り組みが、企業の信頼性向上とともに、 競争力強化になることを念頭におき、企業として対応しなければビジネスチャンスを逃すことになるケースも考えられるため、再検討する必要があります。

株式会社ジャパンファーム

http://www.japanfarm.co.jp/

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米国のエンロンによる粉飾決算、またわが国における企業 不祥事などの多発によりステークホルダー(顧客、株主、地域住民、従業員、政府など)の企業に対する不信感が増大し、企業に求められる社会的責任が急速に高まってきています。
http://www.dnv.jp/focus/cr/

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