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企業インタビュー

大阪証券取引所

大阪証券取引所のセキュリティマネジメントシステム導入

これからの時代に対応した証券取引所を目指して --信頼性に対しての要求が高まってきた証券取引業界。大阪証券取引所では、時代の変化に対して積極的に対応していこうという動きが見える--

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「認証の取得には様々な副次的効果がありました」
-常務取締役 株式会社大阪証券取引所 有冨和利氏

私が2年前、ここにやってきた頃は、セキュリティ管理面で不十分な点がありました。ちょうど世の中でセキュリティに対する意識や金融庁など当局の要請が高まっていたこともあり、セキュリティに関する認証の取得を考えることにしたわけです。セキュリティに関しては色々な仕掛けを作っていくわけですが、同時に、現場のスタッフにもセキュリティに関する意識を高めて欲しいという考えがありました。

各自が身につけないといけませんから、1年かけて、自分たちでどうしたら良いかを考えて取り組みました。事務局が現場に則した確認テストを行うなど、意識を持つよう働きかけをして、半年くらいで盛り上がってきました。今、この建物には200人くらいのスタッフが働いています。その中には社員のほか、色々な企業から来ている人達もたくさんいらっしゃいます。人の出入りもあります。そういう方々にも同じ意識を持ってもらわないといけない。いずれにしても、「人」が一番重要です。

セキュリティや信頼性というものは、慣れてくると徐々に守っているのが当然で、何もしなくても守れているような気持ちになってくる。マニュアルがあって、歯止めがかかっているように見えても、普通にしているだけで守っているんだという気持ちになってきてしまいます。そうすると新たな事象が起きたり、人が変わるとそこで対応できないことがでてきたりする。気持ちが弛んでくるんです。ですからISMS推進委員会を定期的にやり、目標をもってこれを担保にする。こうして常に一定のレベルを維持していく工夫は必要でしょう。

現場の人達の意識も半年くらいでずいぶん変わってくれて、今では机の上はきちんと整理されていますし、一人一人がセキュリティに対して気を配るようになってきています。どこのセンターを見ても、セキュリティは進んできました。人がうっかりしても、それをカバーするシステムも出来上がってきました。しかし、これではまだ十分ではありません。セキュリティは当然のこと、さらに一歩進んでシステムの信頼性を高めていく方向にいかなければならないでしょう。私としてもこの取り組みを全社に広げるだけでなく、上のレベルを目指していきたいと思っています。

システムすべてをもう一度考える

セキュリティのことを理解して頂くために、証券取引に関するシステムのことを少しお話ししておきましょう。我々の主力商品は「日経225ミニ」やと「日経 225ラージ」という先物などのデリバティブなんですが、同じものをシンガポールでもシカゴでも取引できますので、うちに魅力がないとそちらに逃げていってしまいます。ですから、そこの部分をしっかり捕まえておかないといけないわけです。大証はデリバティブで成り立っており、先行していかないといけない。システムをどう作っていくかを考え、場合によってはシステムが複雑になるので、古い商いを変えていかないといけない。

では、ここで何がポイントになるかというと実はシステムなんです。この業界は設備産業です。設備がないとやっていけない。システムがとても重要で、しかも目まぐるしく変わっています。世界的にも色々な取引所が統廃合を繰り返しています。求められるのはスピードです。現状は80msecですが、他は 10msecを狙っています。なんのことか分かりませんよね? 応答速度のことなんです。

金融工学はロケットから生まれたと言われています。ロケット開発に携わった人たちが宇宙開発競争が一段落した時に流れてきてシステム開発をするようになったわけです。ロケットの場合で考えてみましょう。ロケットを打ち上げたとします。一つのエンジンのパワーを少しだけ上げて、姿勢を調整しようとする指令が伝わって反応するまで、少し遅れがありますね。この遅れが少ない方がコントロールは楽なわけです。実は金融業界も同じなんです。反応の時間が長いと予測が難しくなってしまう。株も変化をみながら、できるだけ早く売り買いをしたい。アルゴリズム取引なんてものまで出てきているんです。

アルゴリズム取引をサポートするコロケーションというサービスもやっています。我々の会社は大阪にあるわけですから、東京から指示をして売り買いをしたとすると指示が届くまで10msec かかる。帰りも10msec かかる。往復で20msec かかってしまうわけです。お客様は東京にいても状況判断してすぐに売り買いしたいわけです。

20msecというのは、実際にはとても短い時間です。瞬きするよりも短い。しかし、その違いが大きな差になるのだと皆さん考えていらっしゃる。だから我々もそれに対応していかなければなりません。今は、大阪のセンターの中にお客様のマシンを置いて、それに対してLANで指示を出す。こうすることで非常に短い時間でのやり取りが可能になりました。こういうサービスを11月から開始しました。考えなければいけないのは速さだけではありません。注文が殺到すると件数、ピークが一気にドーンと上がる。激しい変化があってシステムとしてはきちんと制御するのがとても難しい。そこをいかにこなしていくか、ということが大事です。また言葉の問題もあります。
これら、スピードやピークの性能、言葉の問題など世界の動きに日本もすでにまきこまれていて、今後グローバル化を目指したシステムが望まれます。日本も今のままで良いのか、グローバル化を目指したシステムが、今の体制でいけるのかどうか。国内のベンダーでいくのか、それとも海外のものを使うのか、これから問題になってきます。と言っても、日本のシステムが遅れているわけじゃないんです。世界最速の計算機は日本製ですしね。

でも日本は特殊なんです。短い時間でやり取りできる最新のシステムを作っている一方で、古い商いの方法も残っている。これをどうするか考えていかないといけない。そうしないとコンピューターを使っている意味がなくなってしまいます。今のシステムは何万分の一の確率でしか起きないこと(取引き)まで考慮しており、それに色々なやり方が混在していたら、システムがどんどん複雑になってきてしまいます。
近いうちに日本の証券取引所のシステムというのは、我々とJASDAQさん、そして東証さんが使っている二つとなります。日本に二つしかないこのシステムをどうやって信頼性を向上させていこうか、今はとても難しい局面に来ています。証券取引のシステムも、そろそろ大きく変わらなければならないところに来ているのかもしれません。
世界的に見ればシステムを作る人は入れ替わったり、違う会社のシステムを作ったりして、どんどん新しい情報が入ってくる。ところが日本はシステムを作る人は、それだけ。新しい刺激や情報はあまり入ってこないし、一度作ってしまったらしばらくはそれを使い続ける。その間に人が散らばって、また何かあると戻ってくる。つまりノウハウが溜まっていかない。そこをどうやってレベルアップさせ、グローバル化に対応していくか、それが大事になるでしょう。同時にセキュリティや信頼性も世界レベルに対応しないといけないわけです。システムが古くなったからそろそろ作り変えようか、というのが日本。ところが海外では専門の研究所を持っているところだってあるわけです。この違いは大きいですよ。

今、世界は動いている。現物(普通の株)中心だったら、それほどシステムを変えていく必要はないかもしれませんが、我々はデリバティブ中心ですから、一年中スピードを追いかけていかなければならない。能力もスピードも磨いていかなければなりません。今までにない取引所のシステムのあり方を考えていかなければなりません。我々は80msecという速さを実現してはいますが、動かして2年しかたっていませんが、もう次を考えなければならない時期に来ています。利益は出ても、その分をどんどんシステムに投資していかなければならない。システムに対する投資と人に対する投資、この二つを両方二本柱で力を入れていかなければならないでしょうね。人材だってグローバル化しなければならない。そういうものがずっと続いていく世界なんだと思います。扱う商品、扱うシステムが常に進化していかないと生き残れないでしょう。これから証券取引所は、大きく変わっていくと思いますよ。

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株式会社大阪証券取引所

銀行のコンピュータ受託計算部門から分離独立した歴史を持つ三菱総研DCS は、豊富な実績とノウハウに裏付けられた技術力と積極的なセキュリティ対策への取り組みにより高い信頼性を持ち、ITコンサルテーションからシステムの設計・開発、そして運用・処理に至るITトータルソリューションを行う。

2004 年12月より、株式会社三菱総合研究所(MRI)、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)との戦略的業務提携をスタート。2006 年3 月より、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社を加えた4 社連携のネットワークを生かしたベストソリューショ

有冨和利

常務取締役 株式会社大阪証券取引所

ISO27001とは?

最近注目されつつある情報セキュリティの一つにISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の構築がある。官庁、自治体などによる情報セキュリティ 要求が高度化、大手IT ベンダーなど取引先からの圧力増大などが増えてきた中でISMSが正式にISO27001として国産規格化された。機密漏洩、データの改ざん、悪用の防止、必要な人に情報が確実に届けられるという三つの要素すべてを実現することが求められる。メリットとしては、リスク低減とそれによる売り上げ増大や社員のセキュリティ意識変革などがあげられる。企業が構築する多様性を保証するため、自社にあったマネジメントシステムを構築することができ、認証範囲も企業で自由に決定することができる。

ISO27001

ISO/IEC27001は、組織の「情報資産」を保護し、顧客や利害関係者に「信頼」を与えるために2005年10月に制定された国際規格