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自動車産業の進むべき道

第2回-『自動車産業における基準』

自動車産業界の規格について、未だかつてMichael F. Brennanほど熱心に語る人物はいなかったのではないか。「世界に共通する基準を設けることができれば、私のこれまでの行いも報われる。」と言い、妥協を許さない高い水準を確立することがプラスに働くと確信する。

─MICHAEL F. BRENNAN─

IAOB(国際自動車業界監視機構)のマネージングディレクター、Michael F. Brennan氏は、品質マネジメントの向上を目的とした企業基準を確立したうちの一人である。ISO/TS 16949と呼ばれる規格は2000年から審査登録が始まり、これで世界初の自動車産業における国際的な品質マネジメントシステムが確立した。
「ISO/TS 16949とは、ISO9001をベースとして開発され、その標準規格に自動車業界固有の要求事項が追加されたものです。実際、定量データ上では ISO/TS 16949を実施したことで品質向上しているのは間違いないのですが、成功したと言うのはまだ早いと考えています。」とBrennan氏は語る。

再認証への強い要求

「数々の国家規格に取って代わったISO/TSはIATF(国際自動車タスクフォース)によって取りまとめられている。そのIATFのもと、世界に5つの監督機関をおき、認証機関や審査の監督を行っている。このうち北米にあるのがIAOBで、評価制度の認定はこのIAOBが行うことになっている。
「世界で54の審査登録機関があり、そのうちの24は私どものIAOBでの認証機関です。」とBrennan氏は語る。
国際基準の評価や認証作業の質を高めるために、5つの監督機関で監査員のレベルを向上させた。
「IATFはすべての認証機関の監査員に対して、認証から3年ごとに再認証制度を実施することを義務付けています。IAOBでは、監査機関の質の向上や一貫性を図るべく、トレーニングを強化しています」とBrennan氏は述べる。
またBrennan氏は「このような強化策で、合格する監査員数も減るであろうが、それよりも質そのものの向上こそが我々の目指すところなのです」とも語った。
「現在、2300名のISO/TS監査員がいるが、そのうち1500名ほどしか実際のところ十分に条件を満たしているといえません。それに中国、インド、韓国にはその国の言語で対応できる監査体制が完全に整っていないのも事実です。」

中国、再び。

自動車産業は競争が激しく、近年では合併する企業も少なくない。アメリカでは、低コストを追求し、アジアへ目を向けている。
「自動車産業は安い賃金で労働力を担える国にすばやく進出しなければなりません。特に中国は巨大市場です。中国での活動を広げるために、我社は2ヶ月前に北京にオフィスを設けました。」と、以前メキシコで、自動車関連企業が同様の戦略を行ったのを知っているBrennan氏は語る。
「今、中国はメキシコよりもコストが安く、企業は南米よりもアジアに手を広げている。

アジアに対する関心の高まり

アメリカでは3大自動車メーカーのGM、フォード、ダイムラークライスラーがそれぞれの主要取引先に対して認証基準に合格していることを義務付けた。その他の取引先からも同条件を要求されているメーカーも少なくない。アジアにある大手自動車サプライヤーの間では、まだ認証システムを導入していないが、近い将来間違いなくそうするであろう。
「すでにアジアのサプライヤーからの問い合わせが何件かきており、我々の戦略は間違ってなかったと確信しています。」とBrennan氏は言う。
低コストで製造可能な国々では、基準となる質を追求する事は容易ではないが、今のところ見通しは明るい。
「中国にあるGMの主要取引先は、ヨーロッパのメーカーと同等かそれらより優れています。その他の取引先でも、高品質での納品がなされています。ただ、主要でない産業はまだまだたくさんありますね。これからの課題でしょう。」とBrennan氏は言及する。

一貫性と品質

一貫した高品質は、企業のコスト削減のための重要要因となる。一貫した基準こそがキーなのではないか、とBrennan氏は信じてやまない。
「基準を定めて一貫したシステムを導入することで、企業にはメリットがあるし、商品はよいものができあがります。認証システムはまだ始まったばかりで、これからまだまだ改善を重ねていかなければならないことがたくさんあります。」と彼は言う。トヨタを例に挙げて次のように続ける。「トヨタは自社が定めたプロセスを忠実に守って製造に取り組んでいます。もっといい方法がある場合にのみ、そのプロセスを全社にわたって完全に改良するのです。すばらしい方法だが、欧米諸国ではめったにみられないでしょう。これが自動車産業に対する私のささやかな貢献であり、世界基準となるシステム構築に全力を捧げたいですね。」

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