株式会社ノーリツ インタビュー02
2007年4月に国内外、8つの拠点でISO14001の統合認証を取得したノーリツ。給湯器の電子基板やリモコンなどの製造拠点である中国東莞(トンガン)の工場で、実施しているISOについて工場責任者から話を伺った。
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規格を理解しながらの運営は、スタッフ自身で作り上げたマニュアルだからこそ。

-----この東莞の工場も、コンサルタントをたてずにISOのルールを確立していますね。
これはノーリツがISO認証の取得をすすめるときの方針でもありますね。自ら汗をかいて作ったものでなければ、本当に活用できるものにならないという考えです。コンサルタントに取得のサポートを依頼すれば、ある程度できあがった雛形の内容があって、そこに会社の名前や必要事項を当てはめて完成させることが多いと聞きます。
コンサルタントを使って認証をもっと簡単に取得できたかもしれませんが、その場合、ルールを定めた文書が雛形になっているために、理由もよくわからないまま新しく作業を増やさなくてはならない部分が出てきて、自分たちですすんで活動するというより、半ば強制的なやらされている感がスタッフの間にも生まれてくる気がします。

-----マニュアルを作るにあたってどのような点を考慮しましたか?また国際統合認証ということで何か特別な意識というのもあれば教えてくださいますか?
国際統合認証だからといって地域の法令を除いては特別に意識するようなことはありませんでした。ISOのマニュアル自体はなるべく少なくして、使いやすく分かりやすいものにするよう工夫しています。日本の生産工場にも負けない基準を保っていますね。構築の際にISOの要求事項を自分たちで考えて、理解しながら作ったおかげでしょうか。運用の主体になるスタッフ自身も、どうしてそのようなルールがあって守らなくてはならないのかという理由も深く知ることができました。
決定したルールでPDCAのサイクルをまわすことが、環境に配慮しつつもより効率的な生産へつながっていると思います。

-----ルールを運営してPDCAを回すことに、社員の方々への定着はいかがでしょう?
工場の運営を開始したときからゴミの捨て方といった部分は徹底するようにしていたこともあり、基本的なルールはしっかり根付いています。
もともと土地柄といいますか、こちらの人はタバコの吸殻などポイ捨てするのを街中ではよく見かけるのですが、工場の構内にゴミが落ちていることはありませんね。ISO上必要な新しいルールの導入についても、抵抗は特にないようです。ただ社員は出稼ぎで勤めている者が多いこともあり、本当の意味でルールを定着させるのは課題のひとつです。ISOとは直接関係しない部分ですが、定着化のためには休日や残業の規程など福利厚生面の充実も視野に入れる必要性を感じます。長く働ける、リラックスできる職場作りも大切ですね。周辺の他の企業と比べて離職率はかなり低い水準に抑えられています。ISOの定着化の点では教育を行い、現地スタッフも内部監査員の資格を取得しました。さらに増員するための計画も進めています。
ISOの国際統合では、本社とこの東莞との情報の共有化が欠かせない。

-----現場でのコミュニケーションはいかがですか?
現場でコミュニケーションの難しさを感じることはあまりありません。むしろ本社と一体で動くために、その連携を難しく感じます。対策として、本社の内部監査員などマネジメントシステムに精通している者に頻繁に訪ねてもらい、全社的な方針を正確に進められるよう、情報共有を密に行っています。また、ルールの運用では現場のほうが経験や知識があるため、その社員から情報についてヒアリングを行うこともありますね。重要な法律の変更などがある場合は、事務局はもちろん弁護士にも相談するなどして必要事項をまとめられる体制も作っています。
-----環境マネジメントシステムを運営していく上で、今後の課題は何でしょうか?
この工場がある東莞は香港近くの深セン(シンセン)などと比べ、環境に関連したインフラが十分でないと感じることがあります。ルールで定めたように廃棄物の処理しようとしたときも、処理業者探しには苦労しました。役所にも業者の紹介をお願いしたりもしましたが、そのような業者でもこちらの要求した処理を十分にできないことがありました。処理費にはかなりのコストをかけています。深センにある日系企業の工場を見学するなど、今もなお、よりよい方法を模索している途中です。ISOのマネジメントシステムを運営しつづけていく中で、まだまだ改善すべき点が出てくると思います。

董事/総経理 佃 晴仁 氏
品質管理の業務、中国での社内ベンチャー事業等を経験。2007年3月より現職。能率電子科技(香港)の業績向上とノーリツグループ外顧客の拡大に勤しむ。

管理部・生産部 部長 昊 吉南 氏
2002年の入社以来、管理部部長、生産部部長として勤務。東莞(トンガン)工場の運営全般に携わっている。

東莞工場の製造ライン。はんだ付けには鉛フリーはんだを採用している。

実施中の環境活動が社員に一目で分かる告知ボードは、社員の意識向上に寄与。

ゴミの分別方法も表示をわかりやすくし、徹底して行っている。

製造で生じた廃棄物は厳しく分別され、処理場へと送られる。

東莞は中国広東省中部の都市。商業の盛んな広州や香港と近い位置にあり、工業を中心に発展を続けている。最近は、日系企業の進出も多い。。

