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鳥インフルエンザとの闘い

インドネシアはH5N1型インフルエンザウィルスの感染率が非常に高く、これまでに多くの死者が出ている。この致死性感染症に立ち向かうため、Eijkman研究所は、ジャカルタにバイオセーフティlevel3(BSL-3)の管理ができる新しいラボを、DNVの協力を得て設立した。

「インドネシアは鳥インフルエンザを始めとする伝染病の危険性に敏感で、様々な対策を講じる必要があるのです」 -Eijkman研究所責任者Sangkot Marzuki教授-

「これは世界的なパンデミックを引き起こさないために重要です。」現在インドネシアでは新たな伝染病に関して105件の症例がみられ、84名が死に至っているという。
ジャカルタにある新しい研究所の安全性を重視して、Sangkot教授と彼のチームは研究所のプロジェクト監査や安全管理対策におけるマネジメントDNVに依頼することになる。Sangkot教授は説明する。

「2005年に新しいBSL3(バイオセーフティレベル3)の研究機関のための予算に対する政府の承認を得ました。鳥インフルエンザやその他の伝染病対策のための早急な研究機関の建設が必要とされていました。独立した機関によるプロジェクトの監査が必要と感じ、DNVに依頼することに決めました。新興国におけるマネジメントプロジェクトを考案するという困難であったにも関わらず、DNVの経験とアプローチの仕方はとても示唆的で、計り知れないものがありました。我々の研究施設が最高のものであることの再確認ができました。最近ようやく研究所の開発も終わり、今はDNVとともにセーフティマネジメントシステムの考案を行っています。」近年研究所では、鳥インフルエンザのような新興感染症は厚生労働省NIHRDへの働きかけの必要性を訴えています。鳥インフルエンザに対するEijkman研究所の対応役割は以下の内容である。

■国立診断研究所ネットワークへの科学的・技術的サポートの提供

■最先端の研究(特にゲノムの研究

対策の検討

鳥インフルエンザは2003年ごろにインドネシアの家禽で発見され、ジャワ中心部の養鶏場に多大なる影響を与えた。2005年には人への感染、そして致死的症例が見られ、国内外からの注目をいっせいに集めた。家禽からの鳥インフルエンザ発生の後、インドネシア政府は感染症に立ち向かうためWHOやFAOの基準に合う対策を検討し始めた。

さらに政府は、3千万羽の鳥を処分し、5千万羽の消毒をし、44の病院と300の地元クリニックが鳥インフルエンザ対策にあたれるよう保障した。農林省も動物の調査や家禽のウィルスに対して、迅速な応答ができるよう対策を講じている。
「これらの取り組みを補完して国立診断研究所ネットワークへのサポートをするため、研究機関を急速に発展させました。」と、感染症やヒトゲノムのスペシャリストであるSangkot教授は述べた。

マネジメントシステムの成功事例

バイオリスクサービスの国際的リーダーであるDr Paul Huntlyは、DNVの役割についてこう言う。「当初は、施設の物理的安全性を確立することに重点を置いていましたが、バイオリスクマネジメントシステムを発展させることにまで幅を広げ、セーフティマネジメントプロセスも組み込み取り組んできました。また、ノルウェー外務省からの資金援助を受けて現在も進行中です。長期的目標は、インドネシアやその他の国々でも同じような施設を設立できるような雛形を作成することです。」

Dr Huntlyは目を向けたのは、DNVが最近開発した、難解なバイオリスクマネジメントシステムの構造に基づいた必須要素についての事例だった。
この必須要素は、優れた専門家たちからの評価を受け、生物学的封じ込め研究所における活動範囲についての手順も適切なものであった。

リスクがないわけではない

「通常このような施設では、研究に取り組み、人的および動物に対する潜在的脅威の診断や生命体の生産活動を行っています。このような研究施設では、従業員への感染予防や院外への感染予防に配慮して設計されていなければなりません。しかし、このような施設で働く場合リスクがないわけではありません。いくつかの実験室内感染も起きています。
最近ではシンガポール、中国、台湾でSARSウィルスに感染した3件がよく知られているでしょう。これらの事例はセーフティマネジメントシステムの失敗例で、研究機関や従業員による不備ではありません。」と彼は述べた。
「経験上から言えることは、施設の設計に重きを置き過ぎて、施設がどのように運営されるか、また従業員がバイオセーフティーやバイオセキュリティに関する適任スタッフであるかどうかには十分な注意を払えていないことが多いのです。こうした経験をしてきた人が少ないのも一つの原因だが、適切なバイオリスクマネジメントシステムの構築がなされていないことが原因だともいえるでしょう。このような問題はヨーロッパや北米が抱えており、新興国ではもっと深刻な問題なのです。」と彼は続けた。

国際的利益

Eijkman研究所がインドネシアを代表する国家研究機関であることを、Dr Huntlyは信じている。「この研究所でのバイオリスク能力開発は、国内でもプラス効果を及ぼすであろうし、今後国際的にもこのプロジェクトの成果で効果を生み出すことでしょう。そして今後は、Eijkman研究所の発展とシステム構築が目標です。また、インドネシアやその他の国々において似たような施設を建設する時にサポートできるようなモデルを築きたいと願っています。」とDr Hunltyは述べた。
インドネシアで早急に必要とされていた研究診断機関について、インドネシアだけでなくその他の国々にもこのような研究機関が必要とされているとSangkot教授は信じている。
「DNVやノルウェー政府の援助にとても感謝しています。どこの国からの援助も歓迎しています。世界的問題であり、ここでリスクを最小限に抑えることによって世界にプラス効果を及ぼすのです。」と締めくくった。

バイオセーフティとバイオセキュリティ問題

バイオセーフティとバイオセキュリティ管理はきわめて重要な問題となってきた。特に2004年にシンガポール、台湾、中国で起きたSARSの実験室内感染からは注目を集めている。炭疽菌やエボラ、鳥インフルエンザなどの危険なバクテリアやウィルスを取り扱う研究員にとっては特に重要な問題である。

DNVのリサーチ部門は、さまざまな産業で経験してきたリスクマネジメントを有効に用い、今回の研究所設立においても生かされた。プロジェクト内容詳細は、1.封じ込め施設における人的責任問題、2.重要インフラ保護の欧州プログラムである研究室バイオリスクマネジメント基準開発プロジェクト(EU research project,、EBSA)などが上げられる。

-- EU reserch projectのヨーロッパバイオセーフティ(EBSA)(ヨーロッパ全域の封じ込め施設を明確にし、バイオセーフティとバイオセキュリティ問題に取り組むこと、を目的としている)

ヨーロッパバイオセーフティ(EBSA)は、ストックホルムのInfectious Disease Contorlをはじめ、イギリスのHealth Protection Agency、オランダのRIVM、フランスのInstitute Pasteurなど19のパートナーで構成されている。