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インタビュー(1)
濵田酒造は明治元年に創業した焼酎の老舗メーカー。その焼酎づくりは、最新設備を導入した工場で行う一方、ほとんどを人の手に頼る伝統的な製法も、今なお続けている。2006年12月には、品質マネジメントシステムISO9001、環境マネジメントシステムISO14001の統合認証取得に成功。さらなる品質の安定化を環境への配慮とともに進めている。
ISO認証取得で、目的と日々の情報を共有できる強い組織へ。
代表取締役社長 濵田 雄一郎 氏

-はじめに、認証を取得された目的や狙いについて教えてください。
我社がISOに取り組む最大の目的は、これからの10年をにらんだ組織を編制することです。
我々濵田酒造には、薩摩で生まれ、世界的にも優れた日本の蒸留酒である「本格焼酎を真の国酒へ、更には世界に冠たる酒へ」という計画があります。現在ある三つの蔵の機能と役割を最大限に利用し、達成の道筋を具体化していかなければなりません。そのためには、これまで以上に我々の目的を共有し、日々の情報を共有できる、かつ規模が大きく強い組織が必要になってくるのです。
-認証取得にあたって、最も大変だったこと、苦労されたことは何でしょうか。
品質システムと環境システムの同時取得であったこと、また、規格要求事項の理解と社員の意識改革については、認証取得後も継続して活動していきたいと思います。

-今回、品質と環境を統合して取得した理由についてお聞かせください。
濵田酒造にとって品質と環境は両輪であり、いずれも取得の必要があると判断したためです。
わが社における環境の基本方針は、「地球資源は有限」という視野に立ち、本格焼酎の歴史と伝統の継承と革新未来への普及と継続に必要な社会環境、自然環境の維持・継続・改善に努めることです。
環境への取り組みとして、同業者で協同組合を設立し、焼酎粕を家畜飼料へリサイクルする処理工場を建設しました。また、排水についても排水処理施設を完備し、下水道放流レベルまで処理を行っています。
-御社がISOの認証取得で最も重要と位置づけていた課題を教えてください。
認証取得による成果として期待するものは、目的を共有した、強い組織の編成がなされていること、つまり、すべての組織でベクトルが同じ方向を指し、組織それぞれの役割が明確化されており、情報の共有化がなされていることです。
-最後に、審査機関にDNVを選ばれた理由は何ですか。
企業の目線にたった、本質的なパフォーマンスに拘った審査内容についての評価以外に親切、丁寧なアドバイスを受けられるとの紹介をうけ、また、担当の営業マンも非常に熱心であったためです。今回の認証審査では、規格要求事項への適合性の評価が主体でしたが、今後はシステムの有効性を重視し、組織活動のさらなる改善を図りたいと考えています。嗜好品を生産している企業として品質保証をどのように考えたら良いかなど、この先の継続的改善に向けて指導的、教育的な監査をお願いしたいと思います。
安全衛生、企業コンプライアンスの意識が組織的に強まった。
総合管理本部 経営管理部 部長 中濵 高博 氏

-認証取得準備を担当なさる以前から、認証についてはご存知でしたか。
以前から取得予定もあり、「9001」「14001」とも知ってはいました。認証取得で対外的に信用信頼が築け、内部的には社員の目的意識の向上やレベルアップが図れるというメリットもある程度認識していました。ただ、具体的な事については知識がなかったので、実際に認証取得準備を担当したときは、短期間内で取得できるかどうか不安もありました。
-今回の認証取得準備を担当したメンバーは何名ですか。また、中濵様を含め、メンバーの方は普段はどのような業務をしていらっしゃいますか。
プロジェクトメンバーとして役員及び製造、商品開発をはじめすべての部署から24名が指名されました。通常業務と取得準備の作業を両立するために、朝夕の時間外を使った会議や小グループ会議を行ないました。場合によっては、最優先スケジュールにもしました。
-マネジメントシステムの導入に伴い、製造の現場とコミュニケーションをはかる必要があったことと思います。その点についてどのような工夫をされましたか。
ISO認証取得にあたり、今までは口頭、属人的なルールだったものを、文書等により作成し組織的なものへ変えていく必要がありました。現場とは、メールでのやり取りはもちろん、ときには時間外のミーティングも行い、限られた時間の中で効率よくすすめるよう工夫しました。
-取得後、品質・環境のリスク管理に対する社内の意識は、どう変わりましたか。
安全衛生、5S活動、コンプライアンス等意識が社内全体で強まりました。最近は食の安全に関する問題もマスコミなどで報道されることから、さらに強まってきたように感じます。これから先も、社員全員が意識を持つように仕向けるとともに、各人がレベルアップを図っていく必要があると思います。
-DNVの監査時のアドバイスで参考になったものがあれば、お聞かせください。
審査に直接関係ない事項についても他社の事例を挙げながらアドバイスをもらえたので、わかりやすくとても参考になりました。

濱田酒造株式会社
本社:〒899-2101
鹿児島県いちき串木野市湊町3030
Tel:0996-36-5771
支店:東京、大阪、福岡、鹿児島
創業:明治元年
従業員数:280名

代表取締役社長 濵田雄一郎 氏
1953年生まれ。代表取締役専務として1975年に入社。1994年代表取締役に就任。日々、本格焼酎の可能性を求め、チャレンジし続けている。

総合管理本部 経営管理部 部長 中濵 高博 氏
1952年生まれ。2002年入社。経営管理部部長として、総務、経理、人事など内部間接部門の業務に全般的に携わっている。
取得までの流れ
| 2005年12月 |
|---|
| 以前からISO認証取得の考えはあったが、具体的な取組みは2005年12月に開始、12月の開始と同時にプロジェクトメンバーに指名した。 |
| 2006年5月 |
| リスク分析を開始。 ISO文書の骨子が完成。 |
| 2006年7月 |
| DNVへの監査依頼。 内部監査を実施。 |
| 2006年10月 |
| DNVの監査を実施。 |
| 2006年12月 |
| 認証取得 |

